塗料調色の方法

最新更新日 平成25年9月1日

塗料の調色については色々と方法が有るのですが、基本的な部分をここでは述べたいと思います。
(今回は画像が有りません)

模型の調色をする場合に基本色が必ず有りこれらの組み合わせに拠って自分の好みの色を作っていく訳ですが
市販されている物では純色が有りこれを基礎にします。

基 本 純 色

シンナーを使うクレオスカラーを基本として表しています。(アクリルラッカー)
Nゲージ用の塗料の考え方ですが、HOでも下地処理をすれば最上塗りとして使うことに問題は有りません。
但し塗料が濃い状態のままで吹き付けた場合で湿度が低い時ははひび割れ等が発生します。
ですので基本的には瓶に入っている状態よりは薄めて使ってください。
なおHOのマッハ・日光系の塗料との混合は出来ませんし、グンゼカラーを下塗りには使わないでください。

イエロー

ブルー(シアン系)

コバルトブルー

マルーン(マゼンダ系)

レッド

ホワイト

以上の5色は絶対に必要となるカラーです。これにもう一つ足せるとすれば

ブラック
(これは上記の6色が有れば作ることが出来ます)

の合計7色が有ればほぼどの色でも表現が可能となります。
また特殊ですが、クリアー系の色と蛍光系の色も使います。
これとは別に金属色が有りますがこれは別体で考えた方が良いと思います。

実際の調色の仕方

鉄道模型の場合、GM等から色々な塗色が出ていますが、これが気に入らない場合はそこからを出発点にすると
最終到達点に行かない場合が非常に多いので難しいですが、純色から攻めていく方法をおすすめします。

純色の相関

イエロー  +  ブルー  = グリーン

シャインレッド  +  ブルー  = パープル

レッド + イエロー = オレンジ

レッド+イエロー+ブラック= 茶色

コバルトブルー+グリーン= ターコイス

純色以外では

マルーン + ホワイト = ピンク

グリーン +マルーン+ブルー = ブラック(赤系)

大体ですがこれが調合の基礎と思います。
実際の鉄道模型色はかなり複雑な調合を必要としていますので単純に数値で表す事が難しいと思います。
良く調色の発注を頂いた時に調合割合を精密に記録してくださいと言われることが有りますが、現実的に不可能です。
最終確認は実際に塗装して微調整していくことをお勧め致します。
大体ですが、90%以上適合していれば細かい部分の差異が有る程度で98%位までだと肉眼での判別は不可能と思われます。
但し100%の色調調合はほぼ不可能の事態だと認識してください。

純色調合で有る程度の方向性を決めてから、最後に白と黒のにごり色を加えて完成度を上げるのが最も確実だと思います。

例 クリーム4号は 主剤が白で5%程度が黄色・赤(マルーン)は1%程度で黒を少しだけ加えて色調を落ち着かせています。
赤色は顔料が重たいので白と結合して沈殿し黄色は浮いてくる傾向が顕著に出ますので使用時に於いて良く攪拌してください。

実体験ですが、実車と同じ色という事で注文される方が非常に多いのですが、模型に置き換えた場合には
同じ感覚になったことはまず有りません。
あくまでも模型らしさを追求した調色を目指した方が良い結果が得られる場合が多々有ります。

クレオスカラーから色の源色(純色)が出ています。
これは調色作業が非常に楽に行えますが、最後に必ず安定色を加える様にしてください。(白等の不透明色)
この塗料は透明性が強いので下の色が透けてしまい安定性には欠けています。

クレオスカラー(グンゼカラー)の基本色が変わってきています。
今まで発売されていたブルー(2)は純色から白の入った加工色になりました。
これを完全に代用出来る色は無くなりましたので何らかの代替措置が必要と思います。
有る程度は色の素(シアン)で代用可能と思われます。

GMカラーについて

平成以前のGMカラーは品質に於いてグンゼの物と同等でしたが、新しい瓶に変わってから少し色調の変化と
塗膜結合が弱くなっている模様です。古い瓶の物では白系の調色は原料に酸化亜鉛(ジンクホワイト)を使っていた物が有り
これは白の発色が明らかに悪くなっています。(亜鉛華リニメントの問題で絵画の世界ではジンクホワイトという色が一時期無くなりました)
調色をしない場合でもブラシ塗装をした時に塗料の繋がりが悪くなっており少しつなぎ塗料(クリアー系)を入れた方が良い場合が有ります。

GMカラーの印象

基本的にはそのまま使うとふつうの感覚より濁った感じで発色される場合が多く、彩度感に欠けると思います。
(暗かったり、白っぼい感じの物が多くて鮮やかな感じの物は殆ど無い)
ですのでGMカラーからをベースとして調色するのはどちらかと言えばかなり不向きです。
但し単体として使用するダークグレーやねずみ1号はかなり秀逸でこの色調のグレー(黄色の入ったグレー)は
これくらいしか見当たりません。

最新更新日 平成25年9月1日

自己調色の実際

Nゲージ編

これはかなりの経験が無いと無理なのですが、一応一般的に入手出来る材料の範囲内で自己製作は可能です。
顔料と基礎樹脂は画材店で入手可能で私もこの方法で自己製作しています。
Nゲージで使う塗料の場合はクリアー色を基材として使います。

今回の作例としてウルトラマリンブルーを製作してみました。

まず顔料を瓶から出してガラス板の上に載せます。
これにアルキド樹脂を少しずつ混ぜてガラス板の上で練り上げていきます。
(大体ですが1〜2時間程度かけて丁寧に、ペインティングナイフを使うと良い)

ムラと粒が出来ていない状態でドロドロよりも少し堅い目くらいになれば調色用カップにこの元材料を移します。
ここにクレオスカラーのクリアーを少しずつ添加していきます。基本はこれで使える状態ですが
ウルトラマリンブルーはそのままだと透過してしまうので少しだけ白を加えて安定させた方が使いやすくなります。
(私自身は調色用の原色として使うので透過色のままで保存します)
希釈は普通の薄め液で十分ですが、粒が大きかったりしている場合は真溶媒液を有る程度使うことで伸びが良くなります。

HOゲージ編

基本的な部分は共通です。
但しHOの場合は本来のラッカー塗料となるのでアルキド樹脂をかなり多くする必要が有ります。(本来の調合法)
アルキド樹脂は変性の大豆油でかなりの遅乾性なのでこれを溶融させる主溶剤が絶対的に必要となります。
アルコールで溶融させて(入れる量で超即乾にもなる)からこれもクリアー等に少しずつ混ぜて作ります。
今回の作成例はチタニウムホワイトで通常の白を基本にして添加することによって不透明度の高い(透けない)白を作ります。

3枚目の画像はアルキド樹脂を添加して練り上げ工程を行った後、アルコールで溶融させて再練り上げをしている所です。
この後にクリアーを少しずつ混ぜて最終的には通常色の白に添加して下に顔料が落ちない限界まで研ぎ直しを何回も行います。

なおアルコールは通常では入手は難しいのでラッカー塗料は普通の人では出来ないと思われます。
(イソプロピルアルコールは補助溶剤としてか使えません、これでやるとかなり堅い感じで結合が早く起きますので念のため申し添えます)


HOカラーの調色

こちらのカテゴリーカラーについてはどちらかと言えば純色に当たる物がかなり少ない状態で純色調合は模型用市販品に於いては
現在ほぼ不可能に近いと思われます。(マッハ模型製・日光モデル製は共に基礎シンナーが共通です)

純色が有る色

ホワイト

純色では無いが有る程度までは使える色

イエロー(基材に白と若干の黒が混ざっている)

マルーン(基材に白と黒が入っているが他にこの色が無いため)

レッド(本来は朱色とした方が正解なのですがスカーレットとして使用)

純色が製品として無い色

ブルー
(ブルーは本来最低2系統の純色が存在しています。シアン系とコバルト系で亜系統でウルトラマリン)

特 殊 な 調 色

私が特殊な物というのは金属色の調色です。
特に金・銀は基本塗料材が代用品の為に本来の色を出すのにはかなり無理が有ります。(は真鍮・はアルミ)
そこで実際に純金粉・純銀粉を使用して無理の無い色を作っています。
(単に混ぜただけでは安定しない・結合材が別途に必要です。金粉の場合は雲母)
この様な色はお召し仕様等に使用されます。これについては素材価格が高価でさらに模型以外の知識が必要となります。
(これは基礎的な技術としては日本画の絵の具調合法です)
ステンレス系は大元がニッケル合金なのでアルミ基本で調色は可能で通常販売品で対応出来ます。
ボディが真鍮製の場合は錫メッキを使ってステンレスボディの感覚を出すことも可能です。(錫板が陽極になります)

もう一つの調色で古い民家等の漆喰の色が有ります。
これは実際に石灰と胡粉(貝の殻から取った日本画絵の具の材料)を混ぜて吹き付けをするとかなりいい感じになります。

当工房が調色している塗料

基本的にはマッハ模型や日光製と同系統のニトロセルロース系(硝化綿)にフタル酸や膠・アルキド樹脂を加えて溶剤で溶かした物です。
製品的にはかなり古く戦前の軍艦塗装はこの系統に属していて希釈剤としてトルエン等を使っていました。
製品群としては純色の色調で販売されており調合済みの塗料は少数派になります。
従って好みの色を出したい場合はメーカーに依頼して1ロット(最低でも16L)を作って頂くか
自分で好きな量を作成する以外には方法としてはかなり限定された物と考えています。
自分で作成する場合には有る程度の経験と基本法則を守れば大体の物は作る事が可能と思います。
この塗料は一般販売店では取り扱いをしていない様です。
(シンナー自体が販売規制品です。トルエン等は販売時点での管理届け出が必要です)
昔の自動車用の塗料を改良した塗料の様です。(現在の自動車用は二液化合性で硬化剤を入れて凝固する)

調合している方法ですが、顔料を少しずつ溶解調合している場合が多く、
例としてチタニウムホワイトは酸化チタニウムの粉末を少しずつ溶解させて元の白の塗料に加えて結合限界まで加えます。
これをベース色にする事で白の不透明性が高く、調合反応もかなり敏感に答えてくれます。

現在はこの塗料を純色に近い物だけを購入して(全8色)調色しています。

顔料の元材料について

基本的な顔料粉末は画材店で注文すれば入手出来ます。
当方の大阪ではホルベインが主な供給先となってくれています。これは本来はテンペラ画やフラスコ画を書く人の為に有る様で
油絵をしている人も自分の色を持ちたい人が独自の方法で取り組まれています。
但しこの中にも無い色が有りマゼンダ色は取り扱いが有りません。
マゼンダ色は日本画用として純粋コチニールが有りかなり高価画材となっています。
それ以外の材料は大体がこんな物を使っています。
ホワイト  リトボン(バリウム)+白石膏
ブルー シアン化合物・藍
レッド 酸化鉄
イエロー 黄土紛


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