1 Nゲージキット GM(グリーンマックス)製 板キットの組み立て方

この画像は平成17年の4月に特製品として始めてレジンパーツ組み込みをして出した製品の見本品を組み立てる順番に撮影した物です。
(お題は 飯田線 クハ68400 平成17年4月に販売・6月のJNMAで完売)
当工房の基礎技術的な物とその当時のパーツを使ったグレードアップ方法が記録されています。
平成29年現在では前面部分もレジン製パーツに置き換わっていますが基本的な作り方は同一です。

最低限の必要な工具

カッターナイフ(普通の物でも充分使えます)
ピンバイス と ドリル の刃 2.1ミリ(2.0ミリでも大丈夫)1セット
サンドペーパー(空研ぎ用)
(田宮のものが使い勝手が良い320〜1000番までのセット品がある+1500か2000番)

最低限の必要な材料
ブラスチックモデル用の接着材(田宮のものが使い勝手が良い)
モデリング用パテ(これも田宮のものが使い勝手が良い)

有れば便利な物
デザインナイフ
(オルファ製が一般的)
細かい目の平ヤスリか半丸が 1本
瞬間接着剤と硬化促進スプレー(アルテコ)

側板のランナーからの切り出し

まずは各パーツを切り出しから始まりますが、基本的な事は加工する物だけを切り出してまだ加工をしないパーツは切り出さない事
そうしないとパーツを無くす事に繋がってしまい完成の目途が立たずこの段階であきらめてしまう方が多いという事が有ります。

側板は切り出した時に成形バリが残っていたりするので、この段階で除去します。
切り出した後の繋ぎの部分もカッターナイフとヤスリで除去をします。
クハ68の場合屋根板に繋がる側板上の部分にはある程度段差が出ているのでこれも修正を施します。
やり方は簡単でカッターナイフの刃を立ててカンナみたいに使っていくとある程度までは修正出来ます。
その後はヤスリで仕上げて大体で良いので段差を解消させます。(この部分は後で再修正が入ります)

400番代への加工(グレードアップ加工)

今回は400番代なのでトイレ部分の窓埋め工作があります。
この部分を必要としない場合はそのまま工作を続けます。

後位の右側の窓を埋める加工をする為まずは窓の桟を切り取ります。
桟を切り取ってから0.5ミリのプラ板で塞ぎますが、桟を取ったままでは段差が残っているのでその部分もカッターナイフで削り取ります。
難しいと思ったら窓枠自体を全部削り落として四角の穴を作成して0.5+0.3ミリのプラ板で同じく塞ぎます。

電車等の種類別の番号区分として国鉄時代に分けられていました。
300番代 改造車輛
400番代 トイレ付きの改造車輛
800番代 低屋根車
900番代 試作車
1000番代 地下通行可能基準を満たした車輌

例としてEF99−1→EF66−901
キハ90・91はこの系列全体が試作車輛
サロ110−301 はサロ181からの改造車輌(化けサロ)
113形1000番代は 東京駅の地下ホームに対応する車輌

裏側も0.3ミリのプラ板で塞いでおきます。
これはしておくと後ろからの補強になっていて最終的に工作がしやすくなるのでやっておいた方が良い加工法です。

ここに接着材を入れて完全に固定した後に表側に隙間が出来ている部分にパテを盛って完全に硬化してから削って平滑にします。

前面部分の加工(グレードアップ加工)

キットのままで良ければこの部分はあまりする事は有りませんが、少し工作に自信がある方はテールライトレンズの別パーツ化加工として
ライトケースの穴開けをしてみてはどうでしょうか?ライトケース中心に一回針で突いておいてから0.7ミリのドリルで穴開けをするだけです。

テールライトのレンズはどうするのという部分は透明パーツのランナー部分を採っておいてライターで炙って伸ばして切って入れれば大丈夫で
普通はこのパーツにクリアーレッドを塗って塗装の仕上げをした最後に入れてやれば良いだけです。少しの工夫で自分で作れるパーツも沢山有ります。

この時の製作ではキット付属の幌を使わずにタヴァサ製の前面幌受けと箱サボを付ける為に貫通路扉部分の穴を塞いでから整形工作をしています。
またその他の小さな穴は手すり用の穴とワイパー取り付けの穴を0.3ミリのドリルで開けています。

ボディの組み立て

側板と前面部分・妻板を接着して箱形が出来ます。
この時になるべく接着がずれたりしていない事を確認してください。ずれていれば固まる前にやり直しをします。
ちなみに少量の接着材であれば5〜6回程度はやり直せます。この部分で大事な事は接着材を付けすぎない事です。
はみ出した場合はすぐに拭き取れば問題はあまりおきません。

クハ68の場合は窓の上と下に補強の板材が張り出しているので(ウインドウシル・ヘッダー)これがピッタリと繋がれば正解です。
この作例では手すりのモールドを削り取って別に後付けする手すりの為に穴開け加工をしています。
前の手すり穴のすぐ前側が接着をしたところでこの部分はそのままにしておくとパーティングライン(つなぎ線)が出てしまうので
サンドペーパーの400番で荒削りをして1000番で中仕上げ、2000番で最終の磨きをしてライン消し加工をしています。
きれいで継ぎ目の出ない作品はこういった所に手間をかけています。
またこの作業をする事である程度までの接着材のはみ出しもリカバーする技術でもあります。

前面と側板とのつなぎ加工

この加工も次ぎに取り付けをする屋根板との段差を少なくする為の加工です。
そのまま取り付けると前面の端の部分と側板との間に大きな段差が出来てしまいます。
その部分だけを前面パーツ部分を削り取って段差を無くしています。
他のキットもこれをしなければ屋根板が浮いてしまう事が多いのですりあわせをこの段階でしています。
画像では前面パーツの内側も削り取っています。

屋根板の切り出しとボディ(箱形の完成画像)

ボディと屋根板の接着

ある程度のすりあわせ加工をしていても接着をしただけではある程度の隙間が必ず発生しています。

屋根板と前面・側板の隙間を埋める

どうしても出来てしまう隙間はパテを盛って埋めてしまいます。
私自身は爪楊枝で押し込む様にして塗りつけていますが、この部分は個人で色々とやり方があるみたいでパテをシンナーで溶かして
ドロドロ状態になった物を筆で塗ったり、専用の工具を作る人やプラ板をヘラにして使う人もいたりと自分のやりやすい方法でやれば良いと思います。
この部分も完全に硬化してから400番ペーパーで荒削り1000番で中仕上げ2000番で磨き上げをやるのは
先のパーティングラインを消すのと同じ技術を使います。
埋まりきらない部分は再度盛り付けてから同じ作業を繰り返し行います。

隙間を完全に埋めた状態

この作例ではヘッドライトと踏み板と手すりの穴開けの位置決めをしてその部分に穴開け加工をしてグレードアップをしています。
キットのままという場合はヘッドライトと踏み板を切り出して接着します。

グレードアップされた前面屋根板部分

踏み板はタヴァサ製のパーツ、ヘッドライトは銀河モデルの250Wライトパーツを付けています。
この段階でベンチレーターの穴開けをしています。
キットのままの位置でも良いのですが、正しい位置は若干キットでは狂っているので正しい位置に表側から穴開けをしています。
そのままでも良いと思われている方は屋根板の裏側に下穴用の凹みが付いているのでこの部分に2.1ミリのドリルで穴開け加工をします。゜

床板の加工

この画像はレジン製の個別のパーツを付けた物でキットの場合はそのまま接着材で取り付ければ良いだけです。

キットの組み立て完成

台車を着ければ組み立て自体は完成です。
この後は塗装するのですがこの作例はこのまま残していて、ジョーシン大須店に貸し出されて何年間か展示されていました。

平成29年の4月に大須店より現品を回収しておりこの画像の車輌は手元にあります。
そのまま未塗装のためプラスチックの変色と劣化は進んでいますが比較的に保たれた状態にあります。

ま と め

昔の事になりますが、私が鉄道模型を始めた昭和50年頃は完成品は今の様に何でもあるわけでは無く、
すぐ新型車輌が発売されるという状況ではないので、キットが出ればまだ良い方で無い物は自分で作るしか有りませんでした。
(当時のカトー新製品は旧製品のEF58・43形客車・トミックスは始まったばかりで紙箱時代)
ですので自分で作る=模型の工作だったわけです。そういう状況下でどれだけきれいにうまく作れるかというのが各自の腕の
見せ所でありそれぞれが特徴の有る(個性のある)模型を作っていたと思います。資料は断片的でまとまった物はあまり無かった。
運転会とかで走らせる事が注目の的で檜舞台的な所でも有りました。
逆にオープンな運転会の時にはそういった車輌の盗難も多く発生しており(留置線から消えている)
段々とクローズな運転会が多くなって行った事で良い物を見られなくなったのも事実です。

当時はまだ量販店は存在せず、鉄道模型店を中心とした横の繋がりで技術を教えてもらったりしていたのがこの当時でした。
バブルの直前ぐらいから量販店(電気屋が模型売り場を作る)が出来だして割引きするのが当たり前になっていったと同時に
正価販売の鉄道模型店は少しずつ少なくなって行き、模型店での横の繋がりが無くなって技術を伝える術が
無くなって現在に至ってネット上だけの情報だけとなり観てくれる人も教えてくれる人もあまりいない様になっていると思います。
(私自身はきりん堂の阿部さんから色々お客さんに言ってほしいと良くお願いされていました・報酬はコーヒー1杯だけですが)

何が本当の技術で、何が間に合わせの技術で、何が間違っているかが解らなくなっているのはこういう事だと感じています。
少なくともここに上げている事柄は本来の基礎的な工作法だけで成り立っているものを作っているので
大事なポイント部分をしっかりとしてやれば大きな失敗は無くなっていくと思います
また本来は工具もそれほどの専用品とかは必要では無く一般的なプラモデルを作る工具で充分出来ます。
後は失敗を恐れずに、失敗から学ぶという姿勢を忘れない事が大事と思います。
(失敗や試作的な事の蓄積が最終的に良いモデルを作れる根拠になっています)

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