鉄道模型の製作技法の基本

プラスチック製キットの塗装

Nゲージの場合はキット等の一部の製品を除いてプラスチック製品が基本となっています。

塗装はブラシ塗装をした方が最終的には圧倒的にコストが安くなるのですが エアーブラシに約2〜3万 タンクやホースに3万円くらい
コンプレッサーが8〜12万円と設備資金が大きい為 スプレー缶でしてしまう人が約9割くらいと聞いています。
スプレー缶の場合は色の選択肢がほぼできない状況なので吹き方のテクニックで出来上がりを大きく作用します。

スプレー缶の塗装テクニック
(サハ75−100を使って飯田線仕様)

近年のGM製スプレー缶は昔と違ってノズルが改良されて一点に塗料が集中しなくなってやりやすくなっています。(広く散らばる感じ)
但し吹き出す塗料の量はエアーブラシに対して4〜5倍の噴霧量があるのでこれをいかに少ない量で均一的に塗装出来るか
というのがスプレー缶の場合の重要なテクニックになります。
また塗料の溶剤はどちらかというと金属用のラッカー塗料に近い為1回で厚塗りをしてしまうとプラスチックが溶けやすい側面を持っています。

基本的には一度に塗ってしまうと言う事ではは無く、3〜5回に分けて一方向だけに向けて素早く移動しながらスブレーします。

2〜3回くらい吹いてみた時の画像

この位でももう充分な塗膜を形成しているのでこれ以上は厚塗りになるのでクリーム1号はここまでです。

青15号を塗り分ける為のマスキング作業

基本的にはエアーブラシと同じやり方です。
段差があるドア部分はカッターで切り込みを入れて凹んでいる部分に密着させてその上からもう1回貼り重ねをします。

マスキング作業ですが、慣れれば1輛当たり1時間程度で作業は出来ますが
マスキングテープの糊は弱いので3〜4時間以内に次の作業に移れる量までにした方が良いと思います。
そうしないとテープの接着面が剥がれてそこからマスキングした部分に塗料が入ってきて塗り分け線が不明確になってしまいます。


青15号の塗装

これも2〜3回程度で塗膜を作れていますのでマスキングを剥がします。
スプレー缶の塗料は濃いのとかなりの量が出ますのでこれくらいでも充分と思います。
画像は塗り始めで1往復くらいさせた時の画像でこれでかなり色が付いています。

屋根ダークグレーの塗装とベンチレーターの取り付け

屋根のダークグレイも2回くらいでしっかり塗れています。
但し性質上半光沢までくらいしかならないのである程度は光ってしまいます。
これを艶消しにしたい場合はかなり遠く(2メートルくらい)から2〜3回追加で吹くとざらつきがある程度は出ます。
(塗料の粒が大きいのでデコボコ感は出てしまうと思います)
今回ベンチレーターは当方が予めねずみ1号で塗装済みにしていたパーツを使用(エアーブラシで塗装)

という風に悪い感じにはなりません。思っていたよりは良い出来と思います。
ここまでで組み立てを含めて丸2日有れば出来ます。
(4l輛くらいだと組み立てに1.5日位で塗装には乾燥を含めても2〜3日有れば出来ると思います)


クリーム系統の明るい色の塗装
(エアーブラシ塗装編)

プラスチック製キットの塗装は基本的に明るい色を下地色としてしっかり塗装します。
これはエアーブラシでもスプレー缶でも基本は同じです。
作例のクモハ52の場合はこの段階までで約15回くらいの重ね塗りをしています。
塗料の薄め具合ですが、エアーブラシの圧力が低い場合は(1.3〜1.5キロくらい)は当方の感覚ですが塗料 1:5 薄め液がくらいが適当と思います。

最初はあまり色を乗せる感じでは無く薄めにしてある程度プラの下地が見えなくなってからちゃんと光沢が出る様に塗装します。
(これはスプレーもブラシ塗装も同じで一回で決めようとしない事)

最初は薄めに4回くらい・塗膜作成で6回くらい・その後に塗膜状態をチェックして埃がかんでいる場合はその部分だけをペーパーで修正して埃を取り除きます
ペーパーで修正する場合は1500〜2000番位で荒い目の物は出来るだけ使わない様にします。
ペーパーで埃を除去出来たらその削り取った部分だけを部分的に再塗装をし直して最終的に同じ厚さの塗膜が出来る様にします。
その後に最終仕上げ塗装をしてこれはリターダーを少し強くして3回程度完全光沢塗装をしてやります。
当然乾くのが遅いのでかなり時間はかかりますが光沢塗装をしてやる事で不具合を見つける事が出来る利点も有ります。
問題が無ければさらに薄くした塗料で2回程度の最集仕上げ塗りとして完全光沢→半光沢艶有りくらいにしてフニッシュしてクリーム1号の塗装終了です。

赤系統の下地と塗装

赤系統の場合は本塗りをする前に必ず下地塗装をしてから本題の赤を重ね塗りをします。
これは成形色が殆どがグレー系なので、そのまま赤を塗装してしまうと色調がグレーの影響で沈んだ黒っぽい赤になってしまうからで
作例の名鉄3700系の場合はピンク色の下地を作ってから(下地は上の作例のクリーム1号の塗り方と同じですが完全光沢塗装で終わる事
その上から赤を塗る事でしっかりとした発色が出来ます。(赤系統の色は不透明色では無い為)

ピンクの上から調色した名鉄スカーレットを塗装して完成した作例 名鉄3700系
名鉄5700系も同じ様に下地塗装してからですが、スカーレット色を少し昔(70年代くらいの色)の朱色方向へ調色している為色味が少しだけ違います。
3100・3500・3700系の色は少しだけマルーン系の色を加えて赤+マルーンの落ち着いた感じの調色としています。

なおGM製の名鉄スカーレットを塗るともっと朱色+蛍光ピンク方向へ色が出ます。

暗い色の塗装

作例 スロ60 近代化工事車
アルミサッシ窓+ブドウ2号 緑帯

元はブドウ1号塗装なのですが、窓枠の銀を最初に全体塗装して窓の部分だけをマスキングした上でブドウ2号を塗装したので色調がよく出ています。
この様にして暗い色→明るい色への変更は元の暗い部分に銀やグレーを下地塗装してから明るい色へすると本来の色調が出る様になります。

これは平成17年頃のタメ色の作例で元は青15号小窓機からの塗装変更で前面のクリーム色の塗膜を落としてから
全体を明るい目のブドウ色(少しだけ紫かがっている)を全体に吹き付けしてから調色した透明のブラウンをクリアー塗装して出した色合いで
この場合はかなりの塗料と塗装のテクニックを必要とします。前面からの銀帯は最初からマスキングしておきます。
このタメ色の特徴は光の加減で色合いがちゃんと変化する本来の色の出方をしています。(下地に紫を入れてクリアー塗装は赤を強くしている為)

なおこの作例は下廻りの台車は最初に全て銀の光沢塗装をしてから黒の光沢を筆塗りして銀色の筆塗りに拠る色ムラを解消しており
こういった所にも工夫をする事によって一段上の塗装をする事が出来ます。

貫通扉の塗装

昭和30〜40年代の車輌はこの部分は薄緑3号で塗装されていましたので塗り分けの手順を画像で示しています。
作例はGM 新103系エボリューションシリーズ 貫通路扉を部分的に塗装してからその部分をマスキングします。
なお裏側にもテープを貼っていますが、これは車体色の塗装時に開口部分からの逆吹き込みを防止する為に必ずします。
この103系も朱色塗装の場合は下地塗装にクリーム1号を吹いてから朱色2号塗装をしています。

青15号塗り分け塗装の準備

塗り分けの基本はしっかりマスキングする事です。
扉などのくぼんでいる部分は一回貼った部分にカッターでテープを切り離して扉部分を密着させます。
そのままだと吹き込みが出るのでその上にもう1枚テープを重ね張りします。
クモハ52などの複雑な塗り分けを必要とする場合はテープカット用のジグを作ってカットしておいた物を貼る様にします。

青15号を実際に重ね塗りしている時の画像

左は一回目に最初に重ね塗りを始めた画像で右側は2回目に重ね塗りをしている画像

これは青15号の本塗りが終了して塗装チェックする前の画像

完全光沢塗装をしている為かなり反射光があるのが解ると思います。

基本の塗り分けを完成させた画像

この後に細かい修正塗装があり(吹き込みと塗装ずれは必ず発生するのでタッチアップで修正します)
もう少し部分的な塗り分けをさらに行って完成させます。

800番代 低屋根車の塗り分け

本来の屋根は木製にキャンバス張りですが、この部分だけは鋼板の一枚屋根の為鋼板色の塗り分けをしています。

床下の塗装

全体を光沢の黒で塗装してから半光沢艶有りにします。(粗め吹きをする事で半艶→やや艶消しまで変化させられます)

ま と め

塗装はスプレー缶とエアーブラシ塗装では若干の手法の違いは有りますが
マスキング等のやり方は全く同一です。
まずは缶スプレーで練習してある程度自信が付いてからエアーブラシに移行するのも良いと思われます。
(私自身も最初は缶スプレーか筆塗りから始まっています)
塗装に関しては最初からきれいに出来る事はほぼ無いのであきらめずになぜ失敗したのかを検証出来れば
つぎのステップに進む事が出来て仕上がりの良い作品が出来てくると思います。

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