レジン製パーツ記 |
キハ85 鹿バンパーの製作
最新更新日 平成27年4月25日
ページの下が最新更新された内容です。
試作品の製作 |
更新日 平成27年2月1日
まずはどんな形状の物を製作するのかというのが一番に上がってきます。
各種の画像を比較検討して一般向けのプレゼンを兼ねて試作品の製作を始めました。
この原型を作り始めたのが平成26年6月の中旬頃の事です。
この年のJNMAフェスティバルに見本展示は間に合いませんでしたので10月下旬のジョーシン秋の展示会で現物の初展示となっています。
その後に埼玉の鉄道フェスティバルに委託で展示を依頼していますので見られた方もおられるのではと思います。
量産品用の原型の製作 |
試作品はあくまで原型が1個しかなく、これをそのまま量産するのは難しいので(ゴム型を15個程度製作しますが単純に30日以上かかる)
量産用原型を最低3個製作してなるべく似た雰囲気で製作します。手仕事のため原型と言えども同じ形を作ることはほぼ不可能時なので
一からやり直す事になります。但し試作をしたときの工作ポイントは掴んでいるので最初の1個に懸かる時間よりは製作時間は少なくて済みます。
まずはプラ板1.0ミリを3枚張り合わせます。この時にクランプしてなるべく隙間が出来ないようにして大体6時間程度置いておきます。
その後に下側を傾斜を付けてヤスリで平行になるように削りだしていきます。
これが出来れば上側も同じ様に削りだして断面は平行四辺形の形状にします。
この平行四辺形の傾斜角度はキハ85−0の前面スカートの角度とほぼ同じになるようにします。
この形がバンパーの傾斜角度を決定するので傾斜を付けすぎると製作物としては合わない物になってしまいます。(失敗作の画像)
まずは、プラ板を加工した所までの画像をお届けします。
プラ板接着→平行四辺形に加工→斜めに加工していく前の切削ライン設定
棒状の物を切り出して左右を接着したところ・1本の棒材からの切り出しなので、大体形状が似た感じになります。
失敗作の画像 |
棒材の加工時で平行四辺形の角度が強すぎる場合はスカートを組み上げるときに前面に出る角度と横に流れる角度もどうしても強くなりすぎてしまいます。
お試し的に1個のみ粗出しで作成してみました。本体側とのスカートの差異が激しく密着しないという欠点も出ています。
工場で公開された時の画像の実物とはかなりかけ離れているためボツとなりました。上の画像を製作する前の失敗の一つです。
この失敗作がここまで出来るのに大体5日くらいかかっています。
バンパーの突き出し角度が鋭く形状だけを見ると良いと思えるのですが、前面の傾斜が実物と大分かけ離れておりこれが実車なると鹿等の動物を上に跳ね上げる
様な感じになってしまうのでバンパーとしての意味が薄くなると判断してボツとなりました。
(実車では動物が衝突した場合にはバウンドして横側に押しのける効果を期待されていますので傾斜角度はかなり重要な要素です。)
原型完成画像 |
更新日 平成27年2月10日
プラ材から削りだした原型の元材
荒出しでの画像でこれから一度1500番までペーパーで磨きだしをしてその後にサーフェイサーを吹いて下地作成をします。
下地作成をしてから、バンパーカバー材の皺の表現を付けていきます。皺の表現は溶きパテで盛り上げて行きますが
一度では無理なので8回程度重ねていって付けていきます。もちろんその都度ペーパー6〜800番で形状修正をしていきます。この作業が時間的には一番かかります。
これで一応原型の完成となります。
原型を装着して勾配試験をしている時の画像(これで1メートルに付き6センチ位の勾配)
更新日 平成27年2月20日
進行状況の報告 |
現在進行形ですが、少しずつゴム型の製作を行っています。
今年は気温が全体的に低く、シリコンゴムの硬化時間がすごく長くなっていて予定通りの時間表になっていません。
硬化剤を増やすと全体収縮率が高くなるので通常24時間の完全硬化が40時間程度かかっていて2日程度で終わる予定が5日もかかっています。
ちなみに室温が10度を切ると硬化しなくなりやり直しになってしまうので、現在暖房機を入れっぱなしにして硬化させている状態です。
今回は画像は有りません。
更新日 平成27年3月20日
作業が大幅に遅れており、コ゜ム型の製作が思う様に進行していません。
やはり低温障害がかなりの重荷になってきています。暖房を付けっぱなしにしていますがやはり10度を切っている時が有るみたいで
表面は硬化しているのに中にまで硬化が到達しないという事が度々ですでに5キロ分ほどロスになっています。
低温の時の暫定方法
ペット用のヒーター(約40度)の上に乗せて有る一定以下に下げない工夫です。
ゴム温度もオーブンでゆっくり加熱してから硬化剤を添加しています。
(ゴムの液温は40度くらいにするのがかなり効果的です。可使時間は30分くらいになります。)
室温も暖房をフルパワーにして硬化不良を防止します。電気代は相当上がりますが今回は仕方が無いと割り切りが必要です。
低温時におけるシリコンゴムの加熱処理は思っている以上に効果が有りました。 20キロ缶の中に入っているシリコンゴム自体が冷熱の貯蔵所みたいになっていて表面温度と中に沈殿している 粒子の温度にはかなり差がありこのシリコン粒子の温度が5〜7度くらいまでになっていてこれが主たる硬化不良原因でした。 液温を上げると何よりも硬化不良が防げるという単純な物では無く流動性が大幅にアップして沈殿しているシリコン粒子 を攪拌して混ぜてやるのですが低温になると思う様に同一化してくれなかったのが40度くらいまでゆっくり加熱すると 一気に流動性が良くなり固まりもほぼ消失して一石4丁くらいの効果が有ります。 (加熱方法はオーブンを一度100度位まで上げてからしばらくして40度の維持温度に設定してゴムを30分程入れておく) +30分という時間がかなりもどかしくめんどくさかったのですがシリコン粒子が多く入ったゴムは対レジン樹脂の薬品侵襲 がかなりの確率で阻止出来るので型持ちが伸びる傾向が出ますのでうまくいけば50回以上の利用が出来ると思います。 |
更新日 平成27年4月1日
今後の予定と見通し
ゴム型が一応ですが完成しました。3月の20日前後から気温が上昇してかなり安定的になりました。
全部で15個作成しており1回で5個程度は注型出来ると思うので不良品を除いた製作数目標は300個くらいです。
1日45個(1日に3回注型)×8日=360個でここから有る程度の不良品が出るので300個くらいになると予想しています。
注型の仕方はキハ85−100 幌枠の時とほぼ同じやり方での進行となります。
製作は多分注型作業が10〜20日頃でバリ取りに2〜3日、塗装に2日程度パッケージに2日程度かかるので完成は月末前後になりそうです。
ジョーシンの本店と三ノ宮店に合計250個納入しますので残りが当方の手持ち分となります。
本店は製品登録が出来れば比較的早く店頭に出ると思いますが、三ノ宮店は本店の物を分配する形になるので少し遅れると思います。
当方での販売日程はこのページで予定が立ち次第お知らせします。なお当方での販売個数制限は致しません。
この後の成型時の感想や評価はレジン成型のページで書き込む予定です。
更新日 平成27年4月10日
レジン樹脂を真空成型中の画像と焼成処理後のゴム型から脱型したときの画像(4月8日撮影)
4月8日の成型全数と9日分を含めたバリ取り作業を終了した鹿バンパー
この後にサンドベーパー処理をして塗装工程が出来る様にしておき一気に塗装予定
更新日 平成27年4月20日
成型を18日で終了して20日現在湯口の削除作業とバリ取り作業をしています。
成型日は全9日間で全数360個のうち成型不良で破棄した物が2個・B級品が27個出て製品としては310個(サンプルで−4個)となりました。
ゴム型としてはまだ出来そうですが、こちらのレジン樹脂の手持ちが無くなってしまったので強制終了です。(約6キロを消費)
B級品が27個の原因は気泡が入ってしまった物が約半分で残りはゴム型のずれに拠るモールドずれが主たる原因でした。
気泡は偶然の産物なのでどうしようも無い部分で有り、型ずれに拠る物はゴム型作成の時になるべくパーティーションラインが出ない様にする事が
裏目に出ていると思います。かなりの気を使いますが細かく調整してやればこの部分の不良は少なくなりました。
ゴム型不良が出た1個はこの時に底辺部分にまでゴムが流れていないのが原因で少し浮き上がった結果底辺にいらない部分が出来て
かなりおかしくなって成型されたので1日目で排除されました。
バリ取りと湯口の除去には1個当たり約10分程度の作業時間がかかっています。その後のペーパーでの平滑化処理に約5分程度
塗装は表面と裏面の2回塗装で塗料は調色したものを使います。(明るめのグレーでねずみ1号より明るく少し黄色味+赤みが入る)
この画像は先行製作のサンブル品を使って撮影しています。
更新日 平成27年4月25日
サンプル品(展示用)の4個を先に作成しています。(下の画像は表紙の画像と異なります・店頭サンプルはこの製品サンプルです)
ジョーシンにはすでに納入済みでレジの登録が出来れば店頭販売が出来ます。
週明け後に販売可能になる予定です。:29日には確実に販売したいという事です。
B級品について
B級品は今年7月のJNMAフェスティバルから販売します。1個300円でバリ取りと湯口成型をしていません。
B級品の品質ですが、ごく一部にモールド欠損が出ている物と一定以上の型ズレの有る物が相当し
少しだけのパテ修正とペーパー修正で十分に使うことが出来る程度の物で
完全におかしい物や型ズレがひどい物は排除されています。但し湯口除去やバリ取りを行っていません。
当工房での販売方法 通信販売にて行います。Eメールかお電話にて承ります。(電話は午後4〜9時) 販売価格は1個1080円でこの1種類のみで未塗装品は有りません。 送料はクロネコDM便の取り扱いが間に合いそうなので大体の個数は82円で発送可能となりそうです。 個数が多い場合(20個以上)と輸送中紛失がどうしてもいやな方は宅急便発送します。 (但し有る程度発送量が無ければダメらしいので週1回程度のまとめて発送になると思います) お申し込み時に郵便番号・送付先住所・お名前・お電話番号をお伝え下さい。 Eメールはご返信時に入金先の口座名・現金書留の場合はこちらの受け取り先住所をお知らせして 入金が確認出来次第予約完了とします。 お電話の場合もメールの方法と同様に処理致します。 なお予約の手続きをされても7日以上入金されていない方は一旦予約を解除します。 (あらかじめいつ頃という風におっしゃって頂ければ対応はいたします。) 基本的に個数制限は致しませんが手持ちが無くなり次第終了となり次回製作までお待ち頂くことがございます。 このページ更新時より予約として受付致します。発送は5月のGW明けを予定しています。 なお今回製作で発生しているB級品は今年のJNMAフェスティバルの時に出す予定です。(未塗装品) |
販売価格 1080円(税込み)塗装済みのみ |
走行に対する支障性についてですが、キハ85の本体スカートより僅かに上の所に下面が有り、 極端な勾配(1メートルに付き10センチ以上上る時に付くレールのジョイント部に付く段差=通常の2倍の勾配)はレール部に接触して落ちてしまいます。 それまでで有れば基本的に接触しての落下は試験をした上で無い事を確認しています。(最大で1メートルにつき6センチ位まで) |