平成18〜21年12月までの作品集

平成21年12月1日

小田急 4000系13ミリ改軌工事+内装加工

こちらの車輌も少し古めですが状態は良好です。
基本的には13ミリ化なので車輪を交換するだけと思いきや、ボルスターやセンターベアラーの交換で大幅な車高調整と
センターピン取りつけの変更が出て床板そのものの加工が入ってしまいました。
1両はMP方式では不可能のため日光の客車用ボルスター+0.5ミリのプラワッシャーを入れて全体差を0.3ミリ以内に抑えています。
台車はTS804に変更しましたが空気バネはそのままとなっています。
車内にはロングシートと運転席を設置しています。

TS804を加工しましたがセンターベアラーが通常の物では対応出来ないので別パーツを購入のうえで下に出てしまう部分をカット
取りつけ方法はカツミ・エンドウのMPギア取りつけ方法から日光客車標準のボルスターに変換しました。床板も穴開け加工しています。
線路追随性はどうしても少しぎくしゃくしやすい傾向に有り、台車とベアラーのネジの閉め方にコツが必要です。

13ミリ用パーツは基本的にスパイクモデル製をつかわせていただきました。


平成21年11月1日

485系1000番代 グレードアップ加工

カツミの約10年程前に出した製品でいわゆるHGグレード製品ですが、さらなるグレードアップという事で
内装の取り替えと追加塗装等を行いました。
基本的に車体の加工はしていませんが、行き先表示器に文字シートを入れたりと細かい部分の加工となります。
施工車輌は8輌になるので結構時間はかかります。

サロのシートは天賞堂のシートを初期のオレンジレッドに塗装・ハザはカツミのグレードアップシート(2両分入り・枕パーツ別)を使用
サロの洗面室窓は半透明の物に差し替えています。(新製時当時の姿)

行き先表示の文字シートはモリヤスタジオの印刷物を表面をコーテイングしてフィルム感を出してシール化加工の上で貼付
サシはテーブルを白に塗装してからアクセントに花瓶を付けてみました。

1000番代のつばさ編成は新製投入の為編成内の番号が判明しているので一貫性を持たせる符番にしました。
細かい部分でサシの調理室窓は下枠の引き違い窓も再現、貫通扉のガラスも全て鋼線入りガラスの再現をしました。


平成21年8月20日

南海電鉄 ED5127 PART−2

完成状態の画像をお届け致します。
全体の塗装の後にDCCデコーダーを機器室に搭載して基礎設定を行い前照灯にライトを挿入して点灯検査を済ませてから
内装を組み付けて完成状態となりました。
(DCCデコーダー配線に関しては全てコネクター化配線で取り外しや交換が容易に出来る様にしてあります)
この車輌は完成までに和歌山側の解放テコとジャンバー栓の位置が間違っている事に気が付かないままに塗装完成させてしまいました。
これに気が付いたのは発送直前で写真集を見ているとどうも違和感が有り1日余りをかけて他の資料と比較した結果、
キットでは大阪側も和歌山側も同一となっていますが、和歌山側は解放テコの向きが逆でブレーキホースも2本一緒に並んでいる事を
最終的に確認して完成した物の塗装を一旦剥がした上で位置修正を行いました。
部分的ですが、塗装剥がしを行ったので少し塗装荒れが発生しましたが全体的にはほぼうまくいっていたと思っていました。
(端梁部分だけを剥がして筆塗りでプライマー+基礎塗装の上でブラシ塗装をするやり方で最初からブラシ塗装する場合は
濃い塗料を使用しなければならないので、ゆず肌が出やすいのを避けてリターダーで薄めて筆塗りを行った方が失敗確率が低くなる
のと、全部をやり直す必要性は無いと判断したため、但しブラシ塗装の鏡面と全く同じにはならないが近くまでは出来ている)
この画像はDCC試験も済んで出荷する直前にいつも撮影している画像ですがこの後に修正して出荷しました。
塗料はマッハ模型のものですが、彩度が足りないので調色しており屋根の鉛丹色以外は調色塗料となっています。
機関車としての性能はブラス客車3両を牽引出来る能力で全軸作動・全軸集電でパワ−トラックは電気的にも連結しているので
集電不足もなく急曲線の通過は難しいものの通常以上の能力を発揮していると思います。(R610以上)

修正以前の一旦完成とした時点の画像

間違いを修正した物が最終的な完成画像となりましたが、この後に発送して依頼者からやり直しをして欲しいという連絡を頂きました。
内容を良く聞いてみるとまず全て反対に作動するという事と和歌山側の修正を施した部分が気に入らない、
手すりの高さが0.1ミリ高い
内装等の全てが自分のイメージとは違うので、全てスクラッチして新しく全部作り直しの上で返金という内容の物でした。
(かなりの細かい部分に渡っての要求の割には寸法明示や具体的な要目等は一切無い)
請負金額の中では全て新作で作るという項目は含まれていないという説明をしましたが、すでに最初の連絡時点から
感情論だけに終始していたので最終的に一部返金として以後関わらないという処置を執らせて頂きました。
DCC設定に関しては最初に乗せた時に反対にして乗せた様で本人が解らないままにリセットしてしまい、
(大まかな加減速設定でラピットしない設定もしていた)
さらに細かい設定を知らない為に余計におかしく再設定してしまったのが原因と思われますが、(当然反対にして乗せている)
全て当方の責任という主張は最後まで替えていただけなかったのは残念でなりません。
機関車自体も少しディフォルメされているのは当方では解るのですが、(スケールオーバー)これを全て完全1/80に寸法をやり直して
(精度は0.1ミリの誤差すら許されない)作り直せというのでは、当初のキット制作依頼とはかなりかけ離れた過剰要求ですので
当方では対応不可能の仕方の無いことと致しました。
(このあたりの件はFAQの中にも書かれています)

修正された後の完成画像

車番インレタが付属していましたが、発売よりかなり経過していたため糊の劣化でほぼ貼付不能であったので
マッハ製のエッチング車番を貼り付けています。(番号の塗装剥がしで一部欠損が発生して塗装荒れも出ていますが)
キットでは再現されていない引き込み母線やパンタカギ外し線、乗務員ドアのノブや屋根上手すり等は追加加工です。
有る程度の資料は本人に手書きで諸元寸法やイラストを数回郵送送付しましたが、
信用して頂けず証拠としてこちらの資料と設計原図等を全て渡せという要求には閉口しました。
(高価な本を数冊渡せばそのまま帰ってこない事が有るので、ご自分でご購入してくださいと返答しています)
当方としては通常程度仕上がりと思っておりましたが依頼者には理解して頂けませんでした。

今回の作品は現在依頼者がどう思われているか不明です。
多分完全無欠完璧な物を求めていたと思われますが、当初の要求は完成品以上で有れば良い
という依頼内容でしたが、途中から期待がふくらみすぎて変質した様に思います。
当方にとっては要求以上のちゃんと製作をしたはずですが、トラブル作品となった一例です。
この様にしてご自分からトラブルを起こした方のアフターサービスは有りません。

ED5121形には2種類有り3つ窓型と4つ窓型が存在します。
双方共に木南車輌製で南海発注品ですが、戦時中に近鉄との統合で1両は転属となりそのまま近鉄車となっています。
重連での使用例が多かったのは低速度の為に(55km)加速度を上げて本線筋に影響を与えないというための処置の様です。
模型上では台車はD−16ですが、実際はD−18で車体重量は約35tです。
(日車D型台車は12から有り数字は許容重量を示しています。南海のD−18は昭和3年より電車用として発注されています)
模型資料としては私鉄電車のアルバム別冊やピクトリアルにも資料があります。


南海電鉄 ED5127 PART−1

南海電鉄 600V時代に貨物輸送でよく見られた機関車で本線だけでなく
支線にも良く顔を出していて国鉄和歌山駅や天王寺駅でもよく見られました。1両でというより2両での重連が多かったです。
キットはホビーメイト・オカの好キットで価格も高いのですが出来も良いのでさらに手を加えて見ました。
但し資料が完全に揃っているわけでは無いので判明している限りに置いてのディテイールアップ加工と多少のでっちアップをしています。
運転的にはパワートラックを2台搭載してDCCコントローラーを機器室に搭載して
パワートラックの集電も前後を電気的に連結しています。
パンタグラフは安達のS−514の未塗装品を仮付け状態で撮影・ヘッドライトし点灯化のためキットの物は使わずピノチオ製を使用。
この時点では端梁の解放テコ・ジャンバー栓ホースの取りつけ箇所が間違っていますが、気が付いていませんでした。

ボディ組み立て終了してプライマーを吹いた時点の撮影
床下の配管と台枠は資料が無いのででっちアップしましたがブレーキテコやシリンダー手ブレーキの位置はやり直しをています。
キットよりの追加点は屋根上の母線配管とパンタカギ外し装置・屋根上の手すりの追加加工
床下機器の配管加工とブレーキシリンダーとテコの位置適正化+ハンドブレーキホイルの位置関係の修正
(これも後日で間違いの有ることが判明しています)
ATS−S車上子の追加取りつけ、床下台枠の簡易表現等細かい部分の見直しをしています。
この画像には乗務員ハシゴが付いていますが、完成画像では未取り付けです。(走行に支障するので)
この時点ではパワートラックのつなぎ結線のみでDCCに関する結線工作はこの後にしました。
通常では1台のパワートラック駆動ですが、プラ製貨車数両しか引けない貧弱な牽引力となるので、
初期の製作相談段階から2台に強化して真鍮製客車でも3両程度は牽引出来るように提案して装備されました。
DCCデコーダーは2回路の物を2個搭載しています。(1個で2モーターはオーバーロードの可能性が出るので)
台車装備は台枠にギリギリでR550の通過は不可能ですが、R610は可能でキットは車体幅が少し広げられている様です。

キャブ内の室内を再現したもので他の電機の室内を参考に有る程度まで再現しました。(これも完全ではない)
キャブ内には制御器関係とヒューズ関係が入っていた様で基本的には剥きだし配線で有った模様ですが、
後年に改造の際(600→1500V)に機器カバーが付けられたときの再現をしました。(それまでは各段の電線も剥きだし)
制御機器はHL型で有ったと聞いています。運転台と手ブレーキハンドルとの間には空気配管等が有りますが、
予算の都合で省略されています。(HL型は電空カム軸での制御なので空気配管が多い)
パーツはエコー製をそのまま使うか運転台は加工して使用しています。

この内装も気に入らないので全部作り直しという要求でした。
製作時点て機関車に対して少しスモールスケールというのは解っていましたが、市販品パーツでの範囲内での作成なので
有る程度までは仕方が無いと思いましたが、依頼者はこの内装パーツを全部新しく大きく作り直して配管も全部表現という
要求をされました。運転台横には空気配管と電気配管が錯綜しておりコストが30倍以上かかるのですが、全く無視されました。

平成20年11月20日

201系試作編成と103系の塗り替え加工

約20年位前に出ていましたカツミの完成品(最初期と思われます)ですが、経年変化等に拠ってかなり傷んでいたため
当工房に持ち込まれました。一部の車輌には破損も有りましたのでパーツの交換やボディの更正処理を行った上で
オレンジ色に塗り替えを行いました。201系の一部車輌はカナリア色から、103系はスカイブルーからになります。
201系はオリジナルから調色しており違和感なく編成を組める様になっています。

103系も初期の製品ですので少しだけパイピング加工を追加しています。
塗り替えと更正処理のほかに、方向幕入れも工作に入っていますのでモリヤスタジオ製の台紙をシール化加工して
窓には0.2ミリ透明プラ板を張り付けた上で裏側よりプラ板に貼り付けた方向幕を挿入接着しています。

更正処理中の画像でボディの歪みは有る程度は取れましたが細かい部分はパテ埋めにて対応するためサーフェイサー吹き付けをして
パテ修正→またサーフェイサー処理を何回か繰り返して有る程度までは直しましたが決定的には直せませんでした。
従って完全な光沢塗装にすることが出来ませんでした。(完全光沢はわずかな歪みをも出してしまうので)

クモハ200は塗り直し、モハ201はオリジナル塗装ですが、パイピング加工等を追加して屋根を塗り直しています。
モハ200はカナリア色からの上塗りに拠る塗り替えで下地が明るいので若干影響を受けています。


京成電鉄 青電700系 2連 青電復活塗装

特製完成品の700系2連を塗り替えをしたものです。
通常は塗装を全部落としてからですが、今回下地が良いことも有ってプラ用の塗料での重ね塗りとしています。
この様に色調変更だけならこのやり方は十分に通用します。
但し塗装ラインの大幅な変更は旧塗り分け線が出てしまうので注意が必要と思われます。

この車輌は内装・室内灯付きのいわゆるほぼフル装備状態でしたのでその装備を取り外すのに一苦労で輸送に拠る一部破損
も有ったので全体状態としては決して良い物では有りませんでした。再完成に際しては一部加筆して見栄え向上を図りました。


キハ82の塗装

カツミキットをノーマルよりプラスαで組立た物の塗装のみの依頼でしたが、
こちらも一部ディティールパーツの追加を行っています。
メイン作業は塗装と塗装の下地作成なので一部のキズや完全に埋められていない隙間・まだ残っている半田や錆を
キサゲ掛けを丁寧に行ってからプライマーを吹き付け→サーフェイサー→パテ埋め加工→本塗装の工程で仕上げました。

製作品を持ち込んで頂いた時の画像・全体的に非常に良くまとめられていて好印象を与えます。

まず全体を0.06ミリのキサゲ刷毛で磨きだしを行ってまだ残っている半田はこの時点で丁寧に取り除きます。
マッハ製のメタルプライマーを全体に吹き付けてからまず内装部分を塗装していきます。

窓の内張りをマスキングテープで行ってから外回りにはサーフェイサーを吹き付けて細かいキズを埋めるようにします。
大きい隙間はこの上からパテを盛って段差や凹みは極力出てこないようにしていきます。
ボディの修正が終わればサーフェイサーの上の磨きだしを1000番からのペーパーで水研ぎを行います。
水研ぎが終わればボディはこの時点でも反射光で廻りの景色が写るようになります。
この後に後部の換気扇廻りのダクトのディティールを追加して塗装していきます。

サーフェイサー処理について
車体組み立てが終了していてボディに大きな凹み等が有る場合にはマッハ塗料にタルク粉を混ぜてサーフィサーとして
一度全体に吹き付けをして確認後にパテ処理を経てから更正処理をした後に本塗装に入ります。
従ってこの処理自体が下塗装を兼ねている場合が多いです。必ずこの工程を踏むとは限りません。

完成画像です。クリーム4号は調色して明るめに仕上がっており、塗膜は全体的に張りが有ります。
製作期間は2両で約10日間でした。


ピノチオのPAシリーズ・EF58の番号変更加工と窓ガラス再作成

オーダーされた方はオークションにて入手された様で送られてきた時点で前面の窓ガラスがオリジナルのはめ込み窓
で無く(塩ビの貼り付け窓)他の窓にも曇りが発生しており交換を主目的として依頼されましたが、
これをさらに加工して自分の気に入った機関車にしたいとの要望で作業を進めました。
内容は東京機関区129号機を128号機宮原機関区所属に変更する物で屋根廻りの黒色をボディ同色に変更して
(屋根廻りだけの塗装で他はオリジナルのまま)番号や所属札を貼り替えてワイパーもKW3DからWP50に替えています。

上の画像だけを見れば何の変哲も無い製品のEF58に見えます。 

元129号機→128号機宮原機関区所属に変更しましたが一番苦労した点は屋根の塗装変更で、
色調を合わせるのが大変難しく15日かかって色調誤差を数%以内にしています。
はめ込みのガラス窓も前面と側面の一部を作り直しています。
前面のはめ込み窓は平行四辺形なので形状出しは手切りのヤスリ掛けで
元製品よりさらにもう一段前に出してHゴムとの段差の縮小を図っています。
ワイパーはKW3D→WP50へ変更でこれはNゲージのパーツを使用しています。(実車128はKW3D折れワイパー装備)


サハシ455の内装工作と塗装修正

カツミ製品の少し古い物を今の製品と同等化させる塗装とビュッフェ部分ののグレードアップを行いました。

クーラー・ベンチレーターが屋根と同色塗装の時の製品でこれらをGM灰色9号でこの部分のみの塗装をします。
画像はマスキングをした状態のものでまだ塗装は行っていません。部分だけなので全体にマスキングの必要は有りません。

画像では少し見にくいのですが、冷蔵庫2個とその上の什器棚を作成しテーブルを黒に塗装して花瓶とレジスターを上に接着
そばコーナーにはのれんがかかっていたのでそれを表現しています。


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